会員インタビュー
澤田様が未来会計業務に携わるようになった経緯を教えていただけますか?
きっかけは、20歳のときに参加した”社長のカバン持ちをする”という趣旨のインターンシップです。5日間、ある社長に密着して商談や式典に同席したり、現場で社員の方々と一緒に働いたりと、経営のリアルな現場に踏み込む経験をさせていただきました。
そこで私は、社員の働きやすさのためにと奔走する社長の姿を間近で見て、純粋に「かっこいいな」と憧れを抱きました。しかし、同時に大きな挫折感も味わったのです。移動中など社長と二人きりになる時間はたくさんあったのですが、社長の熱いビジョンに対して、当時の私は「いいですね」と相槌を打つことしかできず、同じ熱量で対等に話をすることが全くできませんでした。
その後、本格的に就活が始まり、社長のビジョンを支援できる仕事を探していたときに、たまたま合同説明会で会計事務所の存在に出会いました。そこで、「こういう立場からの支援もあるんだ」と気づき、経営支援をするために会計事務所を受けることに決めたのです。
私が新卒から所属しているみらい創研グループでは、入社後、会計・不動産・相続・総務など、社内の各部署を回るジョブローテーションがあります。実は、私を含め最初は同期5人のうち3人ほどがMASをやりたいと志望していたのですが、ローテーションが終わる頃には、最後まで志望し続けていたのは私一人だけになっていました(笑)
当社には若手に挑戦機会を与える文化があり、入社して本当に良かったと感じています。本来であれば税務経験5年目以上のベテランが担当するような創業融資案件の対応を、配属1ヶ月目で任せていただいたこともありました。面談対応は一人なので、大きな緊張感の連続で、正直気持ちの休まる日はありませんでしたが、それでもいち早く現場経験を積める喜びのほうが強かったです。
そうして現場での資金調達支援からキャリアをスタートしましたが、現場で「お金があっても、必ずしも社長の成果には繋がらない」という現実を目の当たりにしました。それが、一歩踏み込んだ「実行支援」へと業務領域を広げるきっかけになりました。
計画を立てるだけでなく、役割分担や組織体制の整備、社員定着のための育成体系、営業戦略の構築など、成果を出すために社長がクリアすべき現場の解決策を策定し、実行していく際の壁打ち役として伴走してきました。ときには社員がなぜ上手く動けないのか、能力面・心理面まで社長と共に深掘りすることもあります。
お金、人、組織。そのすべてが噛み合ってこそ経営は好転する。その実感が、現在のMAS監査のスタイルに繋がっています。
未来会計業務でやりがいを感じる瞬間や、印象的なエピソードを教えてください。
社長と「これやりましょう、あれもやってみましょう」と熱く語り合っている時間が一番楽しいです。MAS以外の業務で体が疲れているときでも、夕方18時や19時に社長が来社されていろいろなお話を聞いているうちに、不思議と元気が復活してくるんです。
逆に、やりたいことが見つからず、どう進むべきか迷われている社長に対しては、まずは頭の中を整理するお手伝いを心がけています。
なかには、毎月の返済すら厳しいという切実な状況の社長もいらっしゃいます。そんな方に、安易に「一緒に頑張りましょう!」と声をかけるのは、少し違う気がしていて。ただ、そういった社長の多くは、若い頃に何かにがむしゃらに打ち込んだ経験をお持ちです。だからこそ、あえて雑談のなかで私の趣味であるランニングの話などをしてみると、「俺も若い頃みたいに頑張らないとな」といった前向きな言葉が漏れることがあります。これは若手である私の特権かもしれません。社長との関わりのなかで日々新しい発見があることはもちろんですが、黒字達成などの数値的な成果以上に、共に挑戦することで「迷いが消えた」「新たな景色が見えた」と喜んでいただけること。そこに何よりのやりがいを感じています。

澤田さんはみらい創研グループのなかで、ただ一人の未来会計業務の担当者と伺っています。どのようにしてMAS監査の契約につなげたり、未来会計業務への理解を得たりしているのでしょうか?
これまでは、税務顧問先様の決算が終わるタイミングで担当者に同行し、社長と1対1でお話しさせていただくパターンが多かったです。
以前は、月に30件ほどの決算書すべてに目を通し、「この社長は今、悩んでいそうだな」「この社長はもっと面白いことを考えていそうだな」と当たりをつけてから訪問していました。多いときには、1ヶ月で100件を超える決算書をすべて確認したこともあります。
そのため実際にお会いすると結構驚かれましたね。「なんで今このタイミングでドンピシャで来るの!?」みたいなことをよく言っていただきました。
現在は組織的に、ライトなMAS的な商品が形になりました。これまでは私だけが前に出てご提案や課題を解決しに行くスタイルだったのですが、これが税務担当者を中心に動ける体制へと変わってきています。
これまでは、MASや未来会計について「あんなの絶対売れないよ」という声が聞こえてくることも多々あったのですが、今はトップダウンで全社的に未来会計を進めていこうという動きがあります。少しずつですが、変わってきている実感がありますね。
澤田さんは「未来会計プレゼン大会」で最優秀プレゼンターを受賞されました。あの20分間のプレゼンは、一番誰に届けたかったのでしょうか。
一番は、弊社の社員たちです。プレゼンでもお話ししましたが、会計の世界は効率化や生産性が強く求められます。ベテランの社員ほど効率的に仕事を進めようとする一方で、心のなかでは「この社長、本当に大丈夫かな」というモヤモヤを感じていたり、お客様からの相談にそれとなく回答してしまった自分に後ろめたさを感じていたりすることがあります。そういった仲間たちに「そのモヤモヤに蓋をせず、一緒にしっかり支援していこう」というメッセージと、ご支援先の社長様たちの明るい変化を伝えたかったんです。
これに関連して、私は社内では「お客様を紹介して」とは言わず、「応援したい社長がいたら教えて」と言うようにしています。「みなさんにも、応援したい社長は絶対いるでしょ?」と。
この言い方を心がけているのには理由があります。以前の私は、「MAS監査は絶対いいものだからやりましょう」という伝え方をしていました。でもあるとき、それではダメだと気づいたんです。自分の視点で説得しようとしても、人は動きません。
そこからは、「本当は助けたいと思っているお客様がいるよね」「あのとき、曖昧な回答をして後悔しているお客様がいるよね」というように、相手の視点に立って話すように変えていきました。
伝え方を変えてからは社内からの理解も少しずつ得られるようになり、結果として、お客様からMAS監査を任せていただける機会も増えました。正直以前は「予実管理をしましょう」という直球の提案ばかりでしたが、今は「社長がやりたいことって、こういうことでしたよね。それであれば、MAS監査という支援があるので、一緒にやっていきましょう」みたいな。
社内でどうやったら人は動くんだろう?と泥臭く試行錯誤した結果、プレゼン大会やお客様支援など多方面に良い影響があったのではないかと思います。
澤田さんの中長期的な目標を教えてください。
組織と個人の両方に目標があります。まず組織のところでは、MAS監査のチーム体制を整えることですね。先日、内定者の方が私のプレゼンの動画を見てくれたのですが、その際に「MASのチームって一人体制なんですか…?」と、少し残念そうな反応をされたのが心に残っていて。その方が入社し担当者としてデビューするまでには、誰もが迷わず活躍できる環境をしっかり整えておきたいと強く思っています。
先ほどもお話しした通り、現在は税務担当者が無理なく提案できる財務面に特化したライトなMAS的な新商品が形になりました。今後はこの導線をさらに整備し、個人のスキルに頼るのではなく、組織として当たり前に未来会計に取り組める文化を作っていきたいです。
個人の目標については、この新商品が軌道に乗ることで、財務面だけではない一歩踏みこんだ支援に対するニーズも増えてくると期待しています。そうしたニーズの受け皿を整えるために、まずは私自身が支援実績や成果をさらに積み上げ、そのノウハウをチームに還元していきたいです。そうすることで、目標達成に必要な組織の悩みなどの「非財務」領域まで、メンバーの誰もが自信を持って提供できる。そんなMAS監査の体制を、新チームのみんなと切駄琢磨しながら築いていきたいです。
顧問先の経営支援に取り組みたいけれどなかなか上手くいっていないと思っている会計事務所の担当者様に向けてメッセージをお願いします。
「これから最初の1件を獲りにいきたい」という方に関しては、いきなり立派な提案をする必要はないと個人的には思っています。まずは純粋に、「この社長は将来、どんなことをしていきたいのかな」という話をじっくり聞いてみることから始めてみてください。
また、実は若手こそ一番チャンスがあると思っています。若手には若手なりの戦い方があるからです。正直なところ、多くの社長は20代の担当者に最初から完璧なコンサルティングを期待しているわけではありません。だからこそ、「この業界のことを教えてください」とか「調べてきたのですが、ここが分からないので教えていただけますか」と、懐に飛び込むことができる。これは若手の特権です。
一方で、私自身も今年30歳を迎えるので、これからはまた新しいフェーズへと変化していかなければならないと感じています。
私は決して、口だけのコンサルにはなりたくありません。自分自身もしっかり経験し、自分のなかで完全に腹落ちした言葉だけを伝えたいんです。今も全国各地の勉強会に参加していますが、そこで学んだことが本当に納得できて初めて、お客様にお伝えするようにしています。
今の時代、生成AIに聞けば、良し悪しは関係なくある程度の答えが返ってきます。最終的に経営者が誰の話を聞くかといえば、やはり一目置いている人や、「あの人には敵わないな」と思える人の話です。私自身も、そういう存在になっていかなければと思います。コンサルタントとしての実力を磨きながら、自らも挑戦し続ける「実践者」でありたいです。


