山崎様が未来会計業務に携わるようになった経緯を教えていただけますか?
山崎:私はIG会計グループに新卒で入社してから、自社の経理総務業務を7年ほど担当していました。そこから現在の未来会計業務にシフトするきっかけになったのが、IGグループ内で横断的に組織された委員会での活動です。
委員会はグループ内にいくつかあり、社員は全員何かしらの委員会に所属することになっています。私がたまたま配属されたのが、直接クライアント様と関わる機会がある委員会でした。それまでずっと内勤だったので普段そういった機会はほとんどなかったのですが、実際に外に出てお客様とお話しする仕事を経験していくうちに、「もっとお客様と関わりながら仕事がしたい」という気持ちがだんだん強くなっていきました。
そこで思い切って代表に「営業職のほうに異動させてほしい」と直談判して、今のIGプロジェクトに異動させてもらいました。
異動してからすぐMASの担当を持ったわけではなく、最初の頃は地域の学習組織・MAS監査予備軍のお客様が集まる「IG経営塾」というサービスの事務局として、会員のお客様を定期訪問してヒアリングする役割を1〜2年ほどしていました。訪問先ではお客様の直近のお悩みを聞くことが多かったのですが、当時の私は自分で解決できる立場ではなく、「こういうお悩みがありました」と担当者につなぐ“橋渡し”しかできなかったんです。
ですが、そうやって相談を直接受けるようになればなるほど、「自分自身がその悩み解決に直接貢献できる人材になりたい」という気持ちがどんどん大きくなっていきました。そこで上司である福永に「MAS監査の仕事をさせてほしい、勉強させてほしい」とお願いして、4年前にMAS部門への異動が叶いました。それがきっかけで、今の未来会計の仕事につながっています。
現在、未来会計業務のなかでやりがいを感じるのはどんな場面ですか?
山崎:やっぱり一番のやりがいは、お客様と直接関われることだと思います。何かを提供した時に、「ありがとう」とか「期待しています」とか、そういう言葉を直接いただけるのが本当に嬉しいですね。準備段階でいろいろ悩んで大変な思いをしても、それ以上の言葉をお客様からいただけることがあります。お客様の顔を自分の目で見て、言葉を耳で聞いて直接感じられるのが一番のやりがいです。
もちろんまだうまくいかないこともありますし、経験したことのない分野の仕事では特に試行錯誤の連続で、そういう場面になると「やっぱり自分一人では限界があるな」と感じることが多いです。目の前のお客様を救うためには、いろいろな専門の人たちと関わって一つのチームとして動いていく必要があります。大変ではありますが、そうやって「お客様がどうやったら良くなっていくのか」をみんなで一緒に考える場があること自体が、私の人生では今までになかったことなんです。そこにおもしろさや、やりがいを感じています。
福永様は、山崎様が仕事で悩まれているときにどんなふうに接していますか?部下との関わり方の工夫などがあれば教えてください。
福永:わかりやすいところで言うと、LINEやチャットなどのツールの使い方ですね。彼女のすごいところは、報告がすぐ来ることです。目の前にいる時は直接やり取りできますが、いない時にどう動いていたかという報告が大事だと私は思っています。それが信頼のベースであり、仕事を任せるうえで必要な要素だと思っていて、彼女はそれを意識してきちんとできています。
ですから、そういう報告が来た時は、単純なことかもしれませんがとにかくレスポンス早く、すぐ返信することを大事にしています。つまり彼女が投げたボールをこちらが持ったままにしないということですね。
特に経験が浅い人は、投げたボールが返ってこなかったり、返ってきても次に誰に投げればいいかわからず迷ったりして消化不良になってしまいます。それが一番つらいと思うので、レスポンスを早くしてあげることが大事です。山崎は報告・連絡・相談がしっかり来ますから、私もそれに早めに返すように意識しています。
また、組織としての仕組み化の部分も大きいです。IGグループでは目標管理の一環で日報を毎日書く文化があります。1日の終わりに、何時から何時までどんな仕事をしたかを全部書くんです。
さらに、その日の出来事を踏まえて自分の気持ちや気づきを言葉にして書くようにしています。自分が大事だと思っていることを振り返ったり、周囲へ共有が必要だと思うポイントを整理したりするためです。こうした日々の習慣が、気づきの質や自己解決力を高めてくれます。
もちろん、上司として私が直接「これはこうだよ」と伝える場面もありますが、それはそれで役割なので当たり前として、組織としては「日報を書く・自己検証する・仕事を振り返り、周囲にフィードバックする」という仕組みがあることが、彼女の仕事の質を高めているんだろうなと感じています。
先ほどお話しいただいた「委員会組織」について、詳しく教えていただけますか?
福永:IG会計グループには委員会組織という仕組みがあって、グループ内の会社から人が横断的に参加するようになっています。通常の所属部署とは別に委員会という横軸でつながる場があることで、普段関わらないメンバーとも一緒に仕事をする機会が生まれます。
例えば私が参加している決算検討委員会では、税理士チームやコンサルチームといった複数の部門のメンバーが集まって一つの会社の決算数字を一緒に見ながら、会計、税務、そしてMASの視点で意見を出し合っています。するとそこからお客様に提案して将軍の日に来ていただいたり、それがMAS監査の契約に繋がったりするなど、それぞれの本業に還元できるようなケースもあるのです。
ベテランがいれば気づきも多いですし、若手社員はまだ意見は出せなくとも、「数字ってこう見るんだ」という学びの場にもなります。結局組織は機会を与えることしかできないので、それを個人がきちんと活かしてほしいなと願っています。
山崎様の中長期的な目標を教えてください。
山崎:正直、私個人でできることの限界を少しずつ感じ始めているところがあります。もちろん個人としての能力や知識レベルはどんどん上げていきたいですが、お客様は私の成長を待ってくださるわけではありません。
だからこそ、同じ志を持った人を増やしていかないといけないと思っています。今のままだと、会計事務所が提供するMAS監査業務が一部のお客様しか受けられないサービスになってしまいます。代表の岩永がよく言っている「倒産は博物館へ」を実現するためにも、今自分がやっていることを伝えたり、「一緒にこういうことをやりたい」「これから挑戦してみたい」と思ってくれるような仲間を増やしていく活動が必要だと感じています。
実際、コロナ後の変化の激しい社会情勢のなかで会計事務所が社会から求められる役割はどんどん大きくなっており、このままでは果たせなくなるんじゃないかという危機感もあります。だからこそ今回この取材をお受けしたことをきっかけに、少しでもMAS監査に興味を持ってくれる人、同じ志を持って取り組んでくれる仲間をもっと増やしたいなと思っています。
私自身もどんどん外に出ていきたいですし、もし「勉強したい」と思っている方がいれば、弊社にお声がけくださってもいいですし、Ja-BIG主催のNBM(新ビジネスモデル研究会)に参加したり、MAP経営さんに気軽に相談に行ってみたりしてほしいなと思います。困っている中小企業の経営者の方を、一社でも多く救えるような活動を広げていきたい、今はそんなふうに思っています。
また短期的なところで言うと、弊社では目標管理がしっかり仕組み化されていて、毎年一年間の目標と「今年の言葉」を決め、グループ全員が参加する新年発表会があります。
そこで、2026年に私が掲げていきたいのは、AIツールを活用して生産性を上げながら、自分自身の業務の流れや仕組みを少しずつ変えていくことです。そうすることで、お客様に提供するものも常にアップデートしていけると思っています。最終的には、自分の力でしっかりと売上をつくれる担当者になって、組織にも貢献していきたいと考えています。
最後に山崎様と福永様から、顧問先の経営支援がなかなか上手くいかないという人にメッセージをお願いします。
山崎:未来会計って、正直すぐに成果が見える仕事ではないですし、私自身も限界を感じることがたくさんあります。だからこそ、同じ志を持った仲間と一緒に取り組むことがすごく大事だと思っています。一人で抱え込まず、周りを頼りながら、一緒に成長していきましょう。私もまだまだ勉強中なので、一緒に頑張りたいです。
福永:なぜ私たちが目標管理を自分たちでやっているのかというと、すごくシンプルで「自分たちができないことは、お客様に伝えられないから」です。まず自分自身が目標を持って行動しその過程を日々振り返ることで、それ自体が一番の営業ツールになりますし、未来会計を語るうえでの説得力にもなります。
だからこそ、組織として目標管理をしっかり回すことが大事なんです。それが未来会計を続ける力になり、組織の成長にもつながっていくと思っています。