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会員インタビュー

税理士法人 たすき会吉沢 郁美 1985年福井県生まれ。福井市南部農協(現在のJA福井県)にて金融・農業・共済部門に従事した後、税理士法人たすき会に入社。巡回監査士として会計監査業務を行う。3年前にMAS監査サービスを本格始動させることになり、職員3名と税理士2名の計5名で事業部を発足。現在、MAS監査担当3件。MAS監査の標準化、事業化を目標に掲げている。
税理士法人宮西会計北川 知恵 1992年大阪府堺市生まれ、小学5年生から金沢で育つ。2011年金沢商業高等学校を卒業、2013年金城大学短期大学部ビジネス実務学科を卒業。高校時代から簿記が得意で税理士事務所に興味を持ち、金城大学短期大学部の非常勤講師を務める税理士の紹介で当事務所へ入所。AFP(FP2級)と巡回監査士の資格を持ち、クライアントの信頼に応えるべく巡回監査業務に従事している。
税理士法人タックス総研島 秀行 1992年年富山県高岡市生まれ。2016年に税理士法人タックス総研に入社し現在8年目。以前は全くの畑違いになるが、ホテルマンとして働いていた。またMAS監査担当としては、現在3年目。会社全体のMAS監査件数は9件、うち4件を担当している。MAS監査を通して、顧客の未来をより輝かせるために日々奮闘中。

MAS監査業務に携わるようになったきっかけをお聞かせいただけますか?

島 5年ほど前に名古屋で開催していたMMPCコンサルティンググループのセミナーに参加したことがきっかけです。当時、記帳作業の自動化の波が来ていて、ツールの勉強をしようということで参加しました。そこでMAS監査のサービス内容の話もされていて、事務所に帰って振り返ると本来の参加目的よりもMAS監査のほうが印象に残っていました。その頃は、淡々と作業をこなしていかなければならない税務会計にマンネリを感じ始めていて、何か新しいことを提供したいという気持ちが芽生えていたからMAS監査に興味を持ったのだと思います。社内でMAS監査をやりたいという気持ちを伝えましたが、いきなりのことで簡単には首を縦に振ってもらえませんでした。役員会で揉まれに揉まれ(笑)、その結果、「大合戦の日」に参加する運びとなりました。それが私のMAS監査業務のスタートです。

吉沢 所長の寺尾が税理士法人設立10周年という記念の節目を迎えるにあたって、何か新しいチャレンジをしたいという熱い想いから、今度こそMAS監査業務を事業化するぞと決心したことがきっかけです。実は当社は所長のお父様の時代からMAPシステムを導入していて、長い歴史がありながらも事業化にはたどり着けなかったという経緯があります。これまでの失敗例から、税務会計に取り組む職員にただ付随業務としてやるように言うだけでは優先順位が上がらずなかなか軌道に乗らないことはわかっていました。そこで、所長も含む5人のチームが組まれました。そのチームに、兼任ではあるけれど専属担当という形で私も指名していただきました。初めての取り組みへの不安はもちろんありましたが、税務担当の時には厳しく決められた時間単価のなかでしかお手伝いできず、それ以上の悩みを抱えていらっしゃる社長さんのサポートがしたいとずっと思っていましたので、前向きに始めることができました。

北川 私は3年前に所長から「大合戦の日」を一緒に受講するように指示を受けたことが始まりでした。所長は税務会計以外で関与先に提供できるサービスとしてMAS監査に取り組みたいという考えを持っていたのですが、スタートすることができないままでいたので「大合戦の日」はいいきっかけになりました。私は事務所のなかでは新しいことをするのが好きなタイプなので、MAS監査担当として声がかかったのだと思います。

これまでMAS監査を提供してきたなかで、印象に残っているお客様についてお聞かせください。

島 もともと売上が伸びているお客様のMAS監査をしている時に、自分はどれだけの価値を提供できているのかと悩んだことがありました。そのお客様に「自分たちが抱えている課題に対する行動を決める場をつくってもらえたことで、より利益が出る体制になった」「島さんのおかげだ」と言ってもらえたことがとても嬉しく、自信につながりました。今でもMAS監査を継続していただいていて、3年目になります。最初の頃は空白が目立っていた月次の行動目標が、今では隙間なく埋まっています。現在の課題は売上が停滞しやすい月に対して対策を打てていないことですが、具体的な策が社長にもまだ見えていないため、ヒアリングのなかから引き出すことを頑張っているところです。

吉沢 私は今3社担当しているのですが、そのなかにこれぞ理想的なMAS監査だなというお客様がいらっしゃいます。当社のホームページのブログを読んで自分から「将軍の日」への参加を希望されて、MAS監査もぜひやりたいとすぐにご契約いただいた歯科クリニックのお客様です。今年で4年目ですが、院長先生の奥様が中心となって取り組んでいて、独自のExcelでアクションプランを管理していらっしゃいます。MAS会議の日にはアクションプランに対する結果(効果と課題)、次月のアクションプランがすべてまとまった状態で参加し、奥様自ら会議進行までしてくださいます。私は数字の部分をお見せすることと、タイムキープだけでいい状態です。まさに自走できる体質づくりのご支援ができているなと実感しています。ここまでくると島さんと同じように私が介入していることの意味を考えることもありますが、「強制的に集まる場が大事だから」と継続してくださっています。

北川 私は「将軍の日」にお誘いした関与先が印象に残っています。当時、売上が減少しているにもかかわらず仕入が一定のため、業績が大きく落ち込んでいました。「将軍の日」参加後、シミュレーション結果を仕入元に持ち込み、「これではやっていけない」「こうすればなんとかやっていける」と交渉したところ、仕入の見直しを検討してもらうことができ一気に黒字転換することができたそうです。事務所で初めて「将軍の日」にご参加いただき、参加していただいたこと自体に満足してしまい(事務所として「将軍の日」がゴールになっていました)、MAS監査を提案しなかったことを後悔しているのでとても印象に残っています。半年以上後に提案した際には利益が出るようになって業績が安定したこともあり、MAS監査の必要性をあまり感じてもらえませんでした。事務所の体制改善の必要を感じましたし、提案には効果的なタイミングがあるということも学ばせてもらいました。

皆さんはMAS監査業務のスタート時に「大合戦の日」に参加していましたが、どのような影響がありましたか。

吉沢 「MAS監査って何?」「何から始めたらいいの?」と悶々と考えていても何も始まらないので、強制的に実践フェーズに連れていかれることがよかったと思います。他にもコミュニティのなかに斉藤 良さん(富山中央税理士法人 いいもり事務所)という尊敬する大先輩がいらっしゃって、いつも刺激をもらっていました。私の場合は「このメンバーのなかの最初の1件を取りたい!」という闘争心をかき立てられたこともよかったと感じています。

島 「大合戦の日」では毎月の活動報告があるので、成果の有無以前に決めたアクションを実行できていないとなると、やはり恥ずかしいという気持ちになります。社内の人間相手だと甘えも出ていくらでも言い訳を考えられるけれど、皆さんの前ではそうはいかない。正直なところ、1週間前に「急いで何かやらないと!」と焦ったことが何度もありました。行動量が増えること以外にも得られるものはたくさんあります。他事務所の取り組みやアイデアを聞き、「次月は真似してやってみよう!」と取り入れることができます。自分たちだけでは思いつかないようなことを皆さん試されていて、見えない部分に気づかせてもらえるのがとてもありがたかったです。

北川 私は所長と一緒に参加したので、研修内での熱量そのまま行動計画を実行に移すことができたのがよかったと思います。せっかく他の事務所の皆さんのお話を聞いて「あれもやってみたい」「うちの事務所は遅れをとっているからこのアクションを増やそう」と考えても、事務所に帰ってからの報告だったとしたら所長はピンとこなかったんじゃないかと思います。受講していた期間は必ずMAS監査業務に携わる時間をとっていて、すべてのお客様に未来診断をつくるということもできていましたが、「大合戦の日」のプログラムが終了してからはあまり時間がとれなくなってしまいました。もう1年リピート受講するかどうかを検討した時には「受講しなくても事務所内でできる」と判断しましたが、いざやってみると難しく、税務の忙しさにかまけていたらあっという間に1年経過していました。意識的に時間をつくろうとしないとどんどん離れていってしまうものだと知りました。先ほど吉沢さんのお客様が充分自走できているけれどMAS監査契約を継続しているというお話を聞いて、やめたら今のようには動けなくなるとわかっていらっしゃるからなのではないかと感じました。

島 「ないとやめちゃう」というのはわかります。税務に逃げちゃうんですよね。当社では毎月ミーティングを行って行動管理をしていますが、受講当時と比べると行動量は減ってしまっていると思います。「大合戦の日」は量だけでなく質の部分も引きあげてくれるという実感があったので、次回の北陸開催が決まればぜひ参加したいです。

中長期的な目標を教えてください。

北川 入社2年目の社員が未来会計に興味を持ってくれていそうでした。税務業務の効率化を進めてMAS業務に時間を割けるようにすること、「将軍の日」からMAS監査獲得のプロセスを考え直して標準的な型をつくることで、税務とMAS監査を両立して取り組める体制を整えていくことが私の目標です。

島 先日のMAPサロン100回記念大会で「5千万円~1億円という売上がなければ事業化とはいえない」というお話を聞いて、そのラインは目指さないといけないと思いました。そのために必要なことは社内への普及です。社内向けに研修をしてみたこともあり興味を持って声をかけてくれる税務担当者もいないわけではないですが、まだまだ伝わっていないと感じています。MASチームの5人だけで頑張っていてもつくれる売上には限りがあります。これからは全社員を巻き込んでいこうと思います。具体的な方法としては毎月ひとりずつターゲットを決めて「将軍の日」の理解を深めてもらい、必要としている関与先がないか一緒に棚卸しをしようと考えています。そうやってひとりずつ地道に仲間を増やしていきます。さらに、標準化を考えてMASチーム全員でMAS監査プランナー研修の受講を決めました。個人の限界を組織で超えて事業化に挑みます。

吉沢 私も島さんと同じくMAPサロン100回記念大会でお話があった事業化の基準が心に響いたので、数字の目標としては担当者5名で1億2千万円、ひとり2千万円を掲げています。数字以外のところではMAS監査は経営に必ず必要なもの、社会的インフラだと考えているので、すべての社長さんと未来の話をあたりまえに話す関係づくりをしていきたいです。寺尾が10年以上もあきらめずにいたのは経営者にとってこれが必要だと信じているからだと思いますし、私も信じているのでこれからさらに多くのお客様にMAS監査を提供していきたいと思います。

これからMAS監査に取り組もうとされている方へメッセージをお願いします。

北川 未来会計ってやってみて良さがわかるものだと思います。私は自分がいいと思っていないとお客様におすすめできない性格ですが、「大合戦の日」「将軍の日」に参加するうちに、お客様にとって本当に必要なものだと感じるようになりました。MAS監査の実践はこれからですが、「将軍の日」だけでも関与先様との関係が深まったと感じるので、MAS監査が提供できるようになるとさらに深まって、仕事へのやりがいも出てきてお互いにいい関係性を続けていけるのではないかと思います。まずは行動してみることが大事です。

吉沢 先ほどもお話しした社会的インフラが私のなかで強く意識している言葉です。過去会計も未来会計も同じくらい大事。社長さんにもそういう目線を持って経営していってほしい、未来を語ってほしいという気持ちが強いです。私は、未来会計は過去会計を知っている人がやるからこそ意味があると思っています。それがMAS監査の持つ強みです。会計業界にいる私たちが提供することの意義に多くの人に気づいていただきたいと思います。

島 未来会計が税務業務と異なる部分は、やり方も正解も何通りもあることだと思っています。お客様に合うMAS監査が何通りもあって、それを試行錯誤できることに楽しさを感じます。悩み抜いて提供したものでお客様が喜んでくれたら、こんなに嬉しいことはありません。さらに次の楽しさにつながっていきます。未来会計と過去会計、どちらも大事なことに変わりはないので、だとすれば私はより楽しいほう、より大きなやりがいを感じられるほうに携わりたいと思います。飛び込んでみたらきっと楽しいですよ!
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