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会員インタビュー

MMPCコンサルタンツ株式会社鴻巣 将史 1985年生まれ。岐阜県高山市出身。2011年MMPC税理士法人入社。
入社後、税務監査担当者としてキャリアを重ね、2016年からMAS業務も兼任で実施。
セミナーやイベントの企画立案・実施を経て、未来会計業務の推進に貢献。
令和4年6月現在、MAS監査担当件数10件
【MMPC実績】MAS監査契約件数46件、MAS監査売上高47,000千円

鴻巣様はどのようにしてMAS監査業務に携わるようになったのでしょうか?

私がMAS監査に携わるようになったのは、2016年からです。当時、事務所のMAS監査担当者は4名ほどいて、債権業務を中心としてMAS監査を行っていました。私は別の部署で働いていましたが、隣の席だったMAS監査担当者に「一緒にMAS監査業務に取り組まないか?」と誘われました。それがきっかけです。彼がなぜ私に目をつけたのかは聞いていないですが、きっと声をかける少し前から「こいつを巻き込んでやろう」という目論見はあったのだと思います。というのも、その頃には担当4名では手が足りなくなってきており、さらに税務顧問先から「4つの部門ごとにMAS監査をしてほしい」という依頼が舞い込んできていました。私はその会社を担当する上司の補助として、MAS監査業務に携わることになりました。初めのうちは資料作成などの補助業務だけでしたが、徐々に役割を振ってもらいMAS監査という仕事に染まっていきました。
MAS監査担当者になってすぐに、他の会計事務所が開催していたMAS監査に関する研修やMAP経営主催のセミナーに参加しました。「MAS監査契約の獲得」が研修の宿題でもあったので、研修期間中に2件の受注を獲得することができました。
MAS監査担当者になり6年経った現在、担当しているのは10件です。MAS監査件数を増やすことにはそこまで注力してきたわけではないので、爆発的に顧客が増えるようなことはありませんでしたが、少しずつ増えていきました。最初の研修の受講後も意識的にさまざまな研修に参加し続け、研修でお会いする方々から刺激やMAS監査のヒントを頂きながら地道に活動してきました。今でも中部地域の会計事務所と合同で勉強会や「将軍の日」を開催することがあります。外部にも相談できる相手がいるというのはとても心強いです。

MAS監査担当者になる前からMAPシステムを使用した計画作成支援は行っていましたか?

税務顧問先に顧問料に6万円の追加費用を頂いて計画作成を提案していました。そのため、MAPシステムはMAS監査担当者になる前からよく使用していました。しかし、MAS監査担当者になる前に行っていた計画作成は、ただのヒアリングで不十分だったと今は思います。
私は、計画には「MAS監査が受注できない計画」と「MAS監査を受注するための計画」の2種類があると思っています。通常、計画作成は社長へのヒアリングを中心に行います。その会社に対しての知識量はもちろん社長のほうが上です。ヒアリングでその知識量を埋めていくことで、計画を作成することはできます。しかし、ヒアリングしかしていない計画ではMAS監査を受注できないことが多いです。一方で、「MAS監査を受注するための計画」はヒアリングの過程で経営者自身が「ここは改善しないといけない」「この部分はこうする必要があるのでは」と気づくことができる計画です。課題に気づくための情報を提供することが私の役割だと思っています。社長に気づきを提供できれば、社長にとっての私の存在価値がグッと高まります。上下の関係だったのが、ある瞬間から対等な目線で見てもらえるようになるのです。これまで何度もそんな瞬間を感じたことがあります。そのような関係になれた時は、MAS監査を受注することができます。ですから、MAS監査担当者になってからの計画作成サポートでは、課題の発見・共有を心がけてヒアリングしています。

MAS監査業務のやりがいを感じる瞬間をお聞かせいただけますか?

まず、MAS監査業務か税務業務かは関係なく、一会計事務所職員として、お客様からの経営に関するあらゆる相談に解決策を提示できた時、お客様が黒字になったり成果を出せたりした時にやりがいを感じます。お客様から「ありがとう」や「すっきりした」と言っていただけることが、嬉しいんですよね。
税務担当としての関わりでも、お客様の話に従って計画を作成し、課題解決案の提案を行うことはできます。ただ、MAS監査で携わるようになってからのほうが、お客様からの相談事の解決や成果を出すためのプロセスに深く関わることができるようになりました。そのプロセスを踏まえて有意義な課題解決の提案ができた時には、お客様が私の話を真剣に聞いてくれるようになります。お客様が私の言葉や提案に期待してくれているという実感は、税務業務ではそこまで強く感じたことはなかったので、MAS監査業務のやりがいと言えるかもしれません。

強く印象に残っているお客様についてお聞かせください。

やはり、初めてMAS監査契約をしていただいたお客様が印象深く、今でも思い入れは強いです。先代から事業承継したばかりの経営者で、事業承継した初年度には思ったような成果が出ず、債務超過でもあり、今後どのように会社を経営していけばいいのか悩んでいる様子でした。そこで、税務担当だった私が「今後の見通しを含めて金融機関に出せるように、経営計画を立てましょう!」とお誘いし、計画を作成することになりました。計画作成の当日は上司にも同席してもらい、要所でフォローしてもらいながら進めました。上司のフォローもあったおかげで、そのお客様からMAS監査を受注することができました。受注できたのはいいけれど、お客様の課題をどのように解決していくかについて私自身に策があったわけではないため、事務所内でアドバイスをもらい四苦八苦しながら進めていき、徐々に軌道に乗せていきました。大変ではありましたが、今でもいい思い出として心に残っています。
まだMAS監査担当者としては初心者で手探りの状態からのスタートでしたが、いろいろな経験をさせてもらい、回を重ねるごとに徐々に自信をつけていきました。今の私が自信を持ってMAS監査の提案ができているは、実績も肩書きもなかった当時の私を信用して契約してくださったこのお客様のおかげです。また、このお客様は弊社のMAS監査を気に入ってくださっているため、多くの経営者仲間を紹介してくださいます。弊社を信頼してくれている証拠だと思うので、これからも気を引き締めていきたいと思っています。

MAS監査担当者としての中長期的な目標をお聞かせください。

「黒字の顧問先を8割以上にすること」と「その目標を一緒に達成していく仲間を事務所の内外問わず増やしていくこと」、この2つが私の中長期的な目標です。目標について考えるにあたって、MAS監査担当者としての成長の段階を考えてみました。
レベル1:プレーヤー「MAS監査を提案受注できる」
レベル2:プレーヤー「MAS監査において、顧客が一定の成果をあげられる」
レベル3:マネジャー「MAS監査受注におけるフォローをすることができる」
レベル4:マネジャー「事務所内において啓蒙活動を促せるようになる」
レベル5:マネジャー「社外において啓蒙活動を促せるようになる」
現在の私はレベル2~3の段階にいると思っています。MAS監査の提案や受注は一人で行うことができ、成果を出せているお客様もいます。しかし、まだまだ黒字にできていない、目標達成できていない担当先があるため、まずは担当先の業績をすべて黒字にし、すべての顧客で一定の成果をあげられるようにしたいと思っています。
私からしてみたら、成果を出せていないお客様も全然悪くない……と言ったら語弊があるかもしれませんが、死ぬほど頑張っている姿を見てきました。たとえば、倉庫業をやっていたお客様が第二創業で2018年に運送業を始め、初期投資はかかったけれどそろそろ黒字転換できるかなと思っていた矢先にコロナやウクライナ危機により、原油高や物流減の影響を受けました。前向きに取り組んでいる経営者だけに、本当に悔しい思いをしています。高山という土地はもともと外国人観光客が多かったので、飲食業の顧問先2件もコロナ禍で大きな打撃を受けました。彼らも「コロナ禍を言い訳にしない」と強い気持ちを持って、時間ができたからこそできることに取り組んでいます。今しかできないことって、たぶんいっぱいあるんです。あらためて自社を見つめ直して経営理念を作成し、「自分たちがやらなきゃいけないことはなんだろう」と振り返って、アフターコロナ、ウィズコロナで巻き返すための種まきをしている状態です。
「黒字の顧問先を8割以上にすること」は、事務所の目標であり、私自身の目標でもあります。私以外のスタッフも皆、その目標を達成したいと思って動いています。一番はお客様のためですが、理由はそれだけではありません。黒字にすることができたらお客様は我々に価値を感じてくれて、不必要な値下げに応じる必要もなくなりますから。
MAS監査はあくまで手段にすぎませんが、計画を作成することにより見通しを立てて、MAS監査によってPDCAを回し、それを繰り返すことで確実に企業は改善すると思っています。税務顧問先のお客様から「早期経営改善計画を立てたい」という依頼があれば、税務担当者と一緒に訪問して計画作成の提案を行い、少しずつ輪を広げています。私は「MAS監査は取り組む必要があるよね」「計画は立てないといけないよね」と声を大にして伝えていくことが苦手です。そのため、MAS監査に興味がありそうなスタッフを見つけては個別にアタックしています(笑) そのあたりの苦手が克服できるようになればレベル4と言えるのですが、まだまだです。次の世代をどのように巻き込んでいくかが課題だと感じています。

顧問先の経営支援に取り組みたいけれどうまくいっていない事務所や担当者の方へメッセージをお願いいたします。

新しいことに取り組もうとする時、他者の協力や理解を得ることが必要になると思いますが、誰かを動かすこと、誰かを変えようとすることはとても難しいものです。でも、自分自身を変えることならできます。私自身、人を巻き込んでいくことが得意なほうではないので、まず自分が変わり、その姿を見せていくことで誰かの心が少しでも動けばいいなという気持ちでいます。
うまくいっていないのであれば、まずは「本当に取り組みたいのか」を考えてみてください。自分が「経営者や所内の仲間とどう向き合うか、向き合いたいか、向き合うべきか」をあらためて問うべきではないかと思います。自分が「なぜ経営支援に取り組みたいか」を考えて、取り組む気持ちが固まったら、あとは行動を起こすしかないと私は思っています。自分で自分を奮い立たせることができない人、自分を変えられない人は、経営支援に取り組んでもきっとうまくいかないです。自ら行動を起こせない人の言葉を信じて、耳を傾けることができますか? できないですよね。
 やらなければいけないこと、頑張らなければいけないことは人それぞれなので、一概にこうしたほうがいいとは言えないですし、「もっと頑張れ」なんて言うつもりはまったくないです。ただ、「一緒に頑張ろう」と伝えたいです。私自身も課題は山積みですが、顧問先の未来をデザインするために行動を起こすべきだと思って頑張っています。このインタビューであらためて気合いが入りました。一緒に頑張りましょう!
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