経営者の方へ

経営計画のすすめ(事例紹介)

「経営計画なんて意味がない」でもやってみたら・・・
惣菜卸を営むA社長は、会計事務所担当者より幾度となく経営計画を作る必要性や有用性について提案されていた。しかし社長はそのことについて真剣に考えたことはなかった。自社の要である仕入れ交渉の一切と主だった得意先周りはまだ他に任せられない。経営計画をやる時間があったら得意先を回っていた方がよいと思っていたのだ。
だが売上の伸び悩みとともに借入金の返済に追われる日々が続くなかで、漠然とした今後の不安が募っていた。そんななか会計事務所担当者より、「平日が難しければ取引先の休みである土曜日に経営計画をつくりましょう。」という提案があり、初めて作ることになった。
当日は担当者が経営計画システムを持参し、今期の借入金の返済予定や支払が確定している項目である給与や家賃、経費などを確認しながら入力を行った。また、この段階で、担当者が用意した前期の明細データをもとに、本当に必要な経費かどうかを一つずつ目的や効果について検討していった。
これまで経費削減を行ってきたつもりだったが、まだまだ削減の余地があったことには驚いた。売上を上げることは簡単なことではないが、この経費削減により毎月の借入金を返済するための資金捻出がある程度目途がついたため、これまで以上に売上拡大に集中できることとなり、微増ながら成果もあがるようになった。
取引金融機関に対してもここでつくった計画書を説明したところ、好感触であり新規借入等の支援が必要な場合の協力についても早めに対応してくれるとのことだった。
初めての計画立案で感じたことは、計画を作成するための時間は必要になるが、普段から考えていることが、担当者の協力もあるので1日で計画書としてまとめることができるということだ。1年間のうち1日をかけることによって、残る364日の活動のエネルギーははるかに高まり、結果として売上等の成果に繋がるということだった。さらに、自社の業績についてのこだわりが強くなり、毎月の試算表を早く作成し確認することも欠かせないものとなった。
「こんなことだったら、経営計画をもっと早くからやっていれば良かったと思う。諦めずに何度も薦めてくれた会計事務所担当者には感謝している」
次のテーマは、60代半ばを迎え次世代にバトンタッチする準備として、5年以内に少しでも借入金を減らし身軽にするための中期計画の立案である。


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